実例紹介

耐震・制震・免震~それぞれの特徴と揺れ方の違い【地震に強い家づくり】

2021.07.02

地震大国である日本。東日本大震災以降、より一層『地震に強い家』が求められるようになり、「耐震」「制震」「免震」といった建築技術も一般に広く知られるようになりました。


マイホーム計画にあたって、地震への備えはしておきたいですよね。



建物における地震への構造上の備えとしては、「免震」「耐震」「制震」の3種類があります。この3つの単語は知っていても、同じことだと思っていたり、違いについてはあまり知らないというかたが多いかもしれません。



今回はこの免震、耐震、制震の3つの構造上の違いや特徴、メリットやデメリットをご紹介しますので、ぜひ地震対策の参考にしてくださいね!










【耐震とは】


耐震とは、文字どおりですが、地震に耐えること。また、建物の壁に筋交いを入れるなどして、揺れに耐えられるよう工夫されたものを耐震工法と呼びます。

現在の日本では、大震災を教訓にして住宅はもちろん、自治体の建物や学校などもこの耐震工法で建てられているものが多く、もっともポピュラーな構造と言えます。


現在は法律上すべての建物に一定の耐震強度が義務付けられており、特に記載がなければ一般的な住宅に採用されてます。


しかし、柱や梁を太くしたり、耐震壁を増やすといった対策なので、地震が起こった場合には建物が揺れることが前提となっており、揺れを軽減する効果はないと思っておいたほうがいいでしょう。


したがって、家具の転倒リスクは高くなりますし、地震が繰り返し起こった場合、ダメージの蓄積によっては建物が倒壊してしまう場合があると覚えておいてください。






■耐震住宅のメカニズムや構造


地震の力は、主に重量の重い床や屋根に加わるため、その地震に対して建物を壊すことなく耐えうる家を作るには、床、屋根、壁、柱、梁をしっかり作ることが大切です。耐震住宅の構造はこれを実現するために、建物に筋交い構造用合板、金具などを使って補強する方法がとられています。



特に、筋交いを入れるケースでは、「片方組み」、「たすき掛け」など、補強材の組み方によって強度も費用も違いますので、よく工務店の人と相談して依頼するようにしてください。



また、壁の補強をする際にも、必要な量を必要な場所に設置しなければ、効果を最大限に発揮できません。専門家の説明をよく受けるようにしましょう!









【免震とは】


免震とは、地震によって起こりうる建物の倒壊や家具の破損を防ぐ目的で建てる工法です。


免震構造では制震構造よりも揺れが建物に伝わりにくく、揺れを7割から8割はカットできるとされています。したがって、家具の転倒の危機や、転んでケガをするといった二次災害もより起こりにくくなっているでしょう。


耐震工法や制震工法との大きな違いは、建物の倒壊を防ぐだけでなく、建物内部のダメージも防ぐことができるという点がポイントです。




■免震住宅のメカニズムや構造



免震住宅は耐震のように、建物を柱や筋交いなどで固めるのではなく、建物の土台と地盤(地面)の間に免震装置を設置して、地震の揺れを建物に伝えにくくする構造になっています。



免震装置があることで激しい地震で揺れても建物にまで揺れが伝わらず、建物内部のダメージや建物の倒壊を防ぐことができます。


免震装置には、アイソレータと呼ばれる建物を支える土台となり、なおかつ揺れを吸収するゴムと、ダンパーと呼ばれる揺れを吸収する装置を使っています。

これらの装置を地盤や建物に適切に組み合わせることで、より免震性能を高めることができます。








【制震構造とは】


■制震住宅とは


制震とは、地震の揺れを抑える目的で作られた工法のことです。免震とは違い、地面に家の土台がくっついているため、地震の揺れが直接建物に伝わりますが、建物内部に重りやダンパーなどの制震材を組み込んでいるため、地震の揺れを熱エネルギーに転換し、吸収することができます。




■制震住宅のメカニズムや構造


制震住宅の場合、免震住宅とは違い、従来の住宅と同じように地面の上に建物を建てます。しかし、内壁と外壁の間に制震ダンパーと呼ばれる揺れを吸収する装置(制震装置)を入れることで、地震の揺れを熱エネルギーに転換することで建物も倒壊を防ぎます。


制震装置として用いられるダンパーには、特殊高滅衰ゴムが使われていますが、このゴムには、地震の揺れを熱エネルギーに変換する力があります。

転換された熱は空気中に消えるので、結果的に地震のエネルギー(揺れ)を吸収したことになります。

これが制震住宅のメカニズムです。








【耐震、免震、制震それぞれのメリットデメリット】



■耐震工法


☆メリット☆

・最もポピュラーである

・最も低コストでハードルが低い

 ※「建築基準法」を遵守した住宅は、この構造に対応しています。


★デメリット★

・地震の揺れが直接伝わり、大きな揺れを感じる

・繰り返しの揺れや大きな震災によって建物が倒壊する可能性がある





■制震構造


☆メリット☆

・建物の揺れを制限してくれる

・内部損傷(家財保護・家具転倒予防)も小さくすませることができる

・「免震構造」よりも低コストで設置可能

・シンプルな構造が多く、メンテナンス・維持費がかからない



★デメリット★


・耐震構造に比べると費用が高くなる

・免震構造程は、揺れを抑えてくれない

・制震材の設置の兼ね合いで間取りに制限がでる場合がある

「性能・費用」ともに「耐震構造」と「免震構造」の「いいとこどり」の構造でしょう!



■免震構造



☆メリット☆

・免震構造は地震の揺れをもっとも抑えることができる

・建物の内部損傷も防ぐことができる

・免震装置が揺れを吸収するため、建物へのダメージをおさえることができる





★デメリット★

・費用が最も高額になる

・定期的なメンテナンス・保守費は必要(5年、10年単位)

・狭小地では設置が困難である

・隣地との距離を十分にとる必要がある



「予算・土地の大きさ」を考えないのであれば、性能が高い「免震構造」を採用するのがよいのではないでしょうか。






【まとめ】


・耐震=建物を強くする


・制震=揺れを吸収する


・免震=揺れを伝えにくくする



と、それぞれ地震に対するアプローチはまるで別モノ。


「一生に一度の買い物」といわれるマイホームですが、日本に住んでいる以上は「地震のリスク」を無視することができません。


それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで、ご家族でどの地震対策を採用するかを検討してみてはいかがでしょうか。





物件情報

徳島県内の土地や物件を
写真たっぷり!詳細たっぷり!で掲載

ESTATE

会社情報

エステートコーポレーションで働く
経験豊富なスタッフや会社情報をご紹介

会社情報